【論文】「今日も楽しそうでした」で安心してない?新人保育士の記録から見えた“子ども理解の浅さ”

働き方

いい保育園は「楽しかった」で終わらない

最初に結論です。

保育園選びで見るべきなのは、
子どもが楽しそうかどうかだけじゃありません。

もっと大事なのは、

先生が「なぜその子が楽しんでいたのか」まで見ているか。

ここです。

なぜなら、今回紹介する研究では、

新人保育士ほど

  • 楽しかった
  • 嬉しかった
  • 元気だった

みたいな、ふんわりした言葉で子どもを捉えやすいことが分かったからです。

つまり、

言葉が浅いと、子ども理解も浅くなりやすい。

これは保育園選びでもかなり重要な視点です。


研究の内容をざっくり説明すると

桜花学園大学大学院の田中弘美さんの研究。

新人保育士4人の1年間の記録を分析して、

「保育士はどうやって子どもを理解していくのか」

を調べました。

面白かったのは、保育士が使う言葉。

出てきたポジティブな感情語602回のうち…

  • 楽しい:42.9%
  • 嬉しい:33.6%

この2つで、

76.5%

を占めていました。

ほぼ「楽しい」「嬉しい」の世界。

語彙力の話じゃありません。

問題は、

見えている世界もそのくらいシンプルになりやすい

ことです。


「楽しそうでした」は便利すぎる言葉

保護者のみなさん、こんな報告受けたことありませんか?

  • 今日も楽しそうでした
  • 元気に過ごしていました
  • にこにこしていました

もちろん嘘じゃないと思います。

でも、これって便利なんですよ。

言った側も安全。

聞いた側も安心。

誰も傷つかない。

でも…

情報量はかなり少ない。


例えば、同じ「楽しい」でも中身は全然違う

パターン1

「積み木を高く積めて満足そうでした」

→ 達成感がある

パターン2

「友達に認められて笑顔でした」

→ 承認欲求が満たされた

パターン3

「一人で黙々と絵本を見て落ち着いていました」

→ 安心感がある

全部「楽しそう」にまとめられるけど、

保護者が知りたいのはそこじゃない。

知りたいのは、

うちの子は何に心が動いているのか

ですよね。


いい保育士は「実況」じゃなく「解説」をする

ここ、かなり大事です。

微妙な伝え方

  • 今日も元気でした
  • 楽しく遊びました

いい伝え方

  • ブロックで思うように作れず悔しそうでしたが、何度も挑戦して完成できました
  • 最初は遠くから見ていましたが、途中から自分で輪に入れました

これ、全然違いますよね。

前者は実況。

後者は解説。


保育園見学で見るポイントはここ

園見学や説明会で、ぜひ見てほしいポイントがあります。

① 先生が具体的に話せるか

質問してみてください。

「最近、子どもたちの間で流行っている遊びって何ですか?」

ここで、

△「いろいろ楽しんでます」

みたいに返ってきたら要注意。

〇「最近はある女の子が始めたお店屋さんごっこが広がっていて…」

みたいに具体的なら、かなり見えてます。


② 連絡帳が具体的か

チェックポイントはこれだけ。

名詞と動詞が多いか。

例えば、

△ 楽しく過ごしました

じゃなくて、

〇 園庭で虫探しをして、ダンゴムシを見つけて喜んでいました

みたいな具体性。

シンプルですが、かなり分かります。


家庭でも使える簡単テクニック

この研究、家庭にも応用できます。

子どもが帰ってきて、

「楽しかった」

と言ったら終わりにしない。

追加で1問だけ。

「何が一番楽しかった?」

これだけでOK。

さらに余裕があれば、

  • 誰と?
  • どうして?

まで聞けるとかなり深い。


個人的に面白かったところ

この研究で個人的に面白かったのは、

新人保育士ほど「今、その子が快適かどうか」にかなり意識が向いていたこと。

これ、すごくリアルです。

1年目って、

  • 泣いてないか
  • 困ってないか
  • 今大丈夫か

で頭がいっぱいなんですよね。

だから「背景まで見る」はかなり難しい。

つまり、

新人保育士が悪いんじゃなくて、

一人でそこまで求める仕組みが無理あるよね

とも思いました。

だからこそ、

  • 先輩のフィードバック
  • 園長との振り返り
  • チーム保育

が大事なんだろうなと。

ここまで整ってる園は、だいたい強いです。


結論:保育園選びでは「楽しそう」より「なぜ」を見ているか

最後にもう一度。

保育園を見る目を養うなら、

子どもが楽しそうかだけで判断しないこと。

見るべきなのは、

先生が子どもの行動の背景まで理解しようとしているか

です。

  • 今日も元気でした
  • 楽しく過ごしました

だけで終わる園より、

  • なぜそうだったか
  • 何を感じていたか

まで伝えられる園のほうが、

子どもをよく見ています。

「楽しそうでした」は入口。

でも、本当に知りたいのはその先です。

保育園選びは、“楽しそう”の奥行きを見抜けるかでかなり変わります。


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