こんにちは、OceanHopeです。
このサイトでは保育園の監査データ分析と子どもに関する論文を紹介しています。
「保育士って何で辞めるの?」
この疑問、なんとなく”給料と仕事が見合ってないからでしょ?”で片付けてませんか?
…実はそれ、半分あたりで半分ハズレです。
今回の論文は、これまでの保育者の離職研究をガッツリまとめて分析した”総集編”みたいな内容。
読み解いてみると、「思ったよりずっと複雑じゃん…」というのが正直なところ。
今回紹介するのはこちら。
タイトル:量的・質的アプローチから捉える保育者の離職に関する研究動向と課題」
著者:
梅本菜央さん(佛教大学大学院教育学研究科生涯教育専攻)
髙橋敏之さん(佛教大学教育学部幼児教育学科)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcep/42/2/42_69/_pdf
保育士が辞める理由、シンプルじゃない問題だった
結論から言うと、離職の理由はこうです。
単一原因じゃなくて、いろんな要因が絡み合って起きている
例えばこんな感じ。
- 人間関係がしんどい
- 仕事量が多すぎる
- 理想の保育ができない
- 給与や労働条件に不満
- 結婚・出産などのライフイベント
「いや全部じゃん」と思うかもですが、その通り。
ただし、重要なのはここ。
どれか1つじゃなく、”積み重なって限界が来る”
【ズレ】園と本人で”やめる理由”が違いすぎる件
この論文でかなり面白いポイントがこれ。
園側の認識
- 適性がない
- 体調不良
- 結婚・出産
「本人の問題じゃない?」
本人の本音
- 人間関係がキツイ
- 職場の方針に納得できない
- 残業多すぎ
- 給料低い
「いや職場の問題でしょ」
はい、完全にすれ違ってます。
ここが解決しない限り、
どれだけ対策してもズレ続ける
という地味に深刻な問題。
人間関係がヤバいのは事実。でもそれだけじゃない。
多くの研究で共通して出てくるのがこれ。
人間関係は”ほぼ確実に上位に来る”
ただし、注意ポイント。
人間関係=原因ではなく「結果」のことも多い
例えばこんな流れ。
・仕事量が多すぎる。
↓
・余裕がなくなる
↓
・ギスギスする
↓
・人間関係が悪化
↓
・辞める
つまり、
”人間関係が悪い”の裏に、別の原因が隠れている
これを無視すると、
「仲良くしましょう!」みたいなズレた対策になる。
若手と中堅で辞める理由が変わる
これもリアルな話。
- 2年目くらい → 人間関係・理想とのギャップ
- 4年目以降 → 結婚・出産
年齢やキャリアで理由が変わる
だから、
「結婚で辞めた=それだけが理由」とは限らない
裏ではすでに不満が溜まっていた可能性、大いにあります。
「辞めたい」と「辞める」は別物
これ、かなり重要です。
研究でも指摘されてるんですが、
辞めたいと思った=辞めるとは限らない
逆に言うと、
辞めたい理由を減らしても、離職は防げるとは限らない。
つまり、
- 不満を減らすだけじゃダメ
- 続けられる理由も必要
じゃあどうすれば辞めないのか?
研究から見えてきた答えはシンプル。
個人じゃなく”組織の問題”として改善する必要あり。
具体的には、
①新人教育をちゃんとやる
- 配属前の説明
- 研修の充実
- メンター制度
最初でつまずくと、そのまま離職コース
②人間関係を”仕組み”で支える
- 相談できる環境
- 同僚同士のサポート
- 園長との対話
「いい人がいればOK」は再現性ゼロ
③労働環境の見直し
- 残業
- 仕事量
- 休みやすさ
ここ放置して人間関係だけ改善しても意味なし
④組織全体の風土を変える
- 評価制度
- マネジメント
- チーム文化
結局ここが一番大事
実は「辞めない理由」の研究が足りていない
この論文のラストで指摘されているのがここ。
”なぜ続けられているのか”の研究が少ない
たしかに、
- 辞める理由 → いっぱいある
- 続く理由 → あんまり分かっていない
これはもったいない。
例えば、
- やりがいがある
- 信頼できる同僚がいる
- 成長実感がある
こういう「プラス要因」を増やすほうが、
実は効果ある可能性もある。
まとめ:保育士の離職は”構造の問題”
最後にまとめ
保育士の離職はこれ
- 原因は1つじゃない
- 人間関係はほぼ確実に絡む
- でも裏に別の問題があることが多い
- 園と本人で認識がズレてる
- 個人の問題ではなく組織の問題
そして一番大事
「なんで辞めるか」だけじゃなくて「なんで続くか」を見ろ。
もしあなたが、
- 保育士
- 園の運営側
- 転職を考えてる人
なら、一つだけ覚えておいてください。
いい園は”人”じゃなくて”仕組み”で回ってる
ここ、ガチで差が出ます。
「じゃ終わる、せーの、(👏パンパン)
(「ありがとうございま」)した!」


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