病院で保育士ができること|子どもと家族を支える仕事の話

論文

こんにちは、OceanHopeです。
このサイトでは保育園の監査データ分析と子どもに関する論文を紹介しています。

今回はちょっと重めのテーマなんですが、めちゃくちゃ大事な話です。

「病院にいる子どもにとって、保育って何ができるの?」
これ、正直あまり知られていません。でも今回紹介する論文を読むと、
「保育って”命を支える仕事”でもある」
ってことがリアルに見えてきます。


今回紹介するのは、
「小児心臓科病棟における保育士の活動報告」
という実践系の論文です。

タイトル:小児心臓科病棟における保育士による活動の報告
サブタイトル:長期入院児と家族の心をつなぐ支援のあり方-
著者:川合美奈さん(埼玉医科大学)、加藤恵理さん、中村恵梨子さん、高山志乃さん、飯島哲子さん
https://saitama-med.repo.nii.ac.jp/record/2000312/files/19_011_016.pdf


内容を一言で言うと、
長期入院している子どもと家族の”心をつなぐ”ために、保育士がイベントをやってみた話
なんですが、これがかなり深い。

■そもそも:子どもは”何年も”入院することがある

まず前提として知っておいてほしいのがこれ。
心臓移植を待つ子どもたちって、
平均で約5年(1877日)待機することもある
つまり、

  • ほぼ外に出られない
  • 友達と遊べない
  • 季節も感じられない

そんな生活が”当たり前”になる。
これ、大人でもキツいですよね。

■でも現場はこうなっている

論文の中に出てくる現実がこれ。

  • 看護師も「遊びは必要」と思っている(90%以上)
  • でも実際は「10分以内」がほとんど

理由はシンプルで、
忙しすぎて遊ぶ余裕がない
ここで登場するのが「保育士」です。

■病院にいる保育士の役割は”遊ばせること”じゃない

ここ、かなり重要です。
病棟保育士の役割はただの遊び相手じゃありません。
子どもの”生活”をつくること

  • 日常を取り戻す
  • 感情を表現できる場を作る
  • 家族との関係をつなぐ

つまり、
治療では埋められない部分を支える存在
です。

■実際にやったこと:病院で「夕涼み会」を開催

今回の論文のメインがこれ。
病院の中で、
夏祭りみたいなイベント(夕涼み会)を開催
しました。
内容はこんな感じ。

  • 家族との再会
  • ゲーム大会
  • 絵本の読み聞かせ
  • 会食
  • 自由発表(子どもの劇など)

もう完全に、
「普通の子どもが経験する夏」
を再現しにいってます。


そして、ただのレクじゃない。
ちゃんと目的があります。

  • 家族の再会の機会を作る
  • 子どもの成長を見せる
  • 親の負担を軽くする
  • 季節感を感じさせる

つまり、
”子どもと家庭をまるごと支える設計”になっている

■何が起きたか→正直、泣けるレベル

結果がすごい。

  • 子どもが家族を見て満面の笑顔
  • 兄弟とくっついて離れない
  • 祖父がずっと写真を撮り続ける

そして、
「こんなこともできるようになったんだ」
と、家族が成長を実感する場になった。
ここがポイントで、

■ポイント①:家族は”分断されている”

長期入院って、

  • 母親が付き添う
  • 父や兄弟は別生活

みたいに、
家族がバラバラになる
事が多いです。

だからこのイベントは、
家族を”もう一度同じ時間に戻す”装置
になっている。

■ポイント②:親のメンタルも限界

論文でもはっきり書いてますが、
親はずっとこんな状態。

  • 命に関わる緊張
  • 生活の制限
  • 役割の崩壊

つまり、
常にフルストレス状態
なんですよね。
でもこのイベントでは、

  • 他の大人が見てくれる
  • 親が「楽しませる側」になれる

結果、
親の負担が軽くなる
ここ、めちゃくちゃ重要です。

■ポイント③:子どもにとって「家族=安全基地」

イベント中、

  • 最初は泣く子もいる
  • でもだんだん落ち着く

この流れから分かるのが、
家族の存在が安心そのもの
ってこと。

つまり、
医療だけじゃ心は安定しない
んですよね。

■ただし、課題もガッツリある

ここからがリアルな話
理想だけじゃなくて、ちゃんと課題も出てます。

①年齢バラバラ問題(異年齢保育の難しさ)

  • 乳児~学童まで一緒
  • 全員が楽しめる内容が難しい

特に乳児は場に入りにくい。
「みんな満足」はほぼ不可能

②医療制限がキツすぎる

  • 機械(VAD)の管理
  • 電源問題
  • 移動制限

VAD(Ventricular Assist Device:補助人工心臓)・・・心臓ポンプ機能をサポートする医療機器

実際、
座席配置すら自由にできない
レベルです。

③情報共有不足(ここ地味にヤバい)

  • 保育士は医療知識が十分じゃない
  • 医療職は「これくらいOK」と思ってる

結果、
お互いの”当たり前”がズレる
これが安全面の不安につながる。

■じゃあどうするべきか?

論文の結論をかなりかみ砕くとこうです。
「医療×保育」を本気でチーム化しろ

  • 医療職とちゃんと話す
  • 子ども主体で考える
  • 制限の中でも工夫する

これができて初めて、
病院でも”人間らしい生活”が成立する

■まとめ:保育士は”命の周り”を支えている

今回の話を一言でまとめると、
治療は命を救う、保育は心を救う
です。

そしてもう一歩踏み込むと、
心が守られないと、人は本当の意味で回復しない
ここなんですよね。

■これ、保育園選びにもつながる話

ちょっと強引ですが、ここ大事です。
この論文を見るとわかるのは、
良い保育士は「価値を与える」
これは、どんな仕事にも当てはまるけど、
特に保育園は、

  • 保育の質
  • イベントの理由
  • 子ども主体の視点
  • チーム連携

こういうことを考えている園や保育者は強い。
逆に言うと、
ただ預かるだけの園は弱い
です。

いい園の保育やイベントはこうです。

  • なぜやるのか説明できる
  • 子どもの発達に意味がある
  • 保護者への視点がある

■最後に

病院の中でも、子どもはちゃんと成長してるし、笑うし、家族を求めています。
そしてそれを支えるのが、
保育士という存在
この視点、ぜひ覚えておいてほしいです。

「じゃ終わる、せーの、(👏パンパン)
(「ありがとうございま」)した!」

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