八王子市が公表した令和6年度の保育所等の監査結果(指摘があった29施設、指摘事項は延べ42件)を、整理しました。命や安全に関わる内容を先に、お金や書類の話を後にしています。
全体のまとめ
- 指摘があったのは 29施設・延べ42件
- 42件のうち 37件は「改善済み」。「改善中」が2件、「改善報告なし」が3件
- 最も多いのは 安全計画の未策定・未周知(10件)。職員や保護者に伝わっていなかったケースが中心
- 保育士の配置に関する指摘は6件(5施設)。うち1施設は「改善中」
- 健康診断・検便・検食など衛生面の指摘は11件。特に「入所時の健康診断をしていない」が7施設
- お金の管理(積立金・貸付金)の指摘は8施設。子どもの安全に直結しにくい書類・経理面の指摘が多い
1. 命・安全に関わる指摘
① 保育士の配置が足りない(6件・5施設)
子どもの数や年齢に応じて、決められた人数の保育士を置く必要があります。人手が足りないと、目が行き届かず事故のリスクが高まるため、最も重く受け止めたい項目です。
- 保育士を複数配置していない:駅前なかよし保育園第2(改善済)、元木保育園(改善中)
- 常勤の保育士を各グループに1名以上置いていない:たんぽぽ保育園、山田保育園(ともに改善済)
- 保育従事者が適正に配置されていない:こばと保育園(改善済)
- 資格が必要な職種に、資格を持つ職員を置いていない:元木保育園(改善済)
元木保育園は、配置と資格の両方で指摘を受けています。複数配置の件は、資料の時点で改善中です。
② 安全計画を作っていない・伝えていない(10件・6施設)
安全計画とは、園での事故やケガを防ぐために「どこが危ないか」「どう訓練するか」をまとめた計画です。作るだけでなく、職員への研修や訓練、保護者への周知までが求められています。
- 計画そのものを作っていない:真理学園幼稚園小規模保育所、テクノすくすく保育園
- 職員への周知・研修・訓練をしていない:真理学園幼稚園小規模保育所、テクノすくすく保育園、ピヨピヨ保育室ひよっこ、ベビールーム アンジュ
- 保護者に取り組み内容を伝えていない:わらべ保育園、真理学園幼稚園小規模保育所、テクノすくすく保育園、クラージュ保育園、ベビールーム アンジュ
真理学園幼稚園小規模保育所とテクノすくすく保育園は、3点セットで指摘されています。いずれも改善済みです。
③ 避難・消火訓練をしていない(1件)
- 毎月の避難訓練・消火訓練を実施していない:幼保連携型認定こども園 高尾幼稚園(改善済)
火災や地震のときに子どもを守るための訓練です。毎月の実施が求められています。
2. 健康・衛生に関わる指摘(11件)
④ 健康診断をしていない(8件・7施設)
入所したとき、また年2回の健康診断が必要です。感染症や体の不調を早く見つけるためのものです。
- 入所(入園・利用開始)時の健康診断をしていない:長房中央保育園、みなみ野保育園、元木保育園、高尾幼稚園、おひさま保育園、笠原保育室(以上改善済)、ひなた保育園(改善報告なし)
- 健康診断を年2回行っていない:高尾幼稚園(改善済)
⑤ 給食まわりの衛生管理(3件)
- 調理担当者・調乳担当者の検便を適切に行っていない:高尾幼稚園、創価大学つばさ保育所(ともに改善済)
- 検食(提供前に大人が味や状態を確認すること)をした記録が確認できない:共励第二こども園(改善済)
食中毒を防ぐための基本的な取り組みです。
3. お金・運営のルールに関わる指摘
⑥ 国の補助金や積立金の扱いが不適切(6件)
社会福祉法人が運営する園では、国からの補助金などを決められたルールで積み立てておく必要があります。
- 補助金を積み立てる処理が適正でない:フエロー保育園、めぐみ第一保育園、桑都保育園、駅前なかよし保育園第1、駅前なかよし保育園第2(すべて改善済)
- 積立資産を、事前の承認なく別の目的に使っている:船森保育園(改善済)
⑦ 他の事業への貸付を年度内に戻していない(2件)
- わらべ保育園、わらべうつき台保育園(ともに改善済)
同じ法人の別事業などにお金を貸した場合、年度内に戻すルールです。
⑧ 職員の給与改善のための加算が適正でない(3件)
保育士の待遇改善のために国が上乗せする「処遇改善加算」について、計算や使い方が適正でないという指摘です。
- 八王子ひまわり保育園、高尾幼稚園(ともに改善済)
- このみ保育園(改善報告なし)
4. 保護者への説明・書類に関わる指摘(3件)
- 保育料の領収証を渡していない:松枝保育園(改善済)
- 領収証で、保育料と特定の費用を分けて書いていない:ひなた保育園(改善報告なし)
- 重要事項の掲示をしていない:ぽかぽか保育園大和田園(改善中)
保護者が「何にいくら払ったのか」「園の大事なルールは何か」を知るための基本的な情報提供です。
5. 保護者として知っておきたいこと
指摘があること自体は、すぐに「悪い園」という意味ではありません。 監査は、ルールどおりに運営されているかを定期的に点検する仕組みです。今回の指摘の9割近くは改善済みと記載されています。
気になる点があれば、園に次のように聞いてみるのも一つの方法です。
- 安全計画は、保護者にも説明してもらえますか?
- 避難訓練や安全に関する研修は、どのくらいの頻度で行っていますか?
- 入園時や定期の健康診断はどのように行っていますか?
なお、「改善報告なし」の3件(ひなた保育園2件、このみ保育園1件) は、資料の時点で改善が確認できていない項目です。ただ、報告が公表資料に反映されていないだけの可能性もあります。気になる方は、園や八王子市に直接確認してください。
ご注意
- この記事は、手元の一覧表の内容のみをもとにしています。資料に載っていない指摘や、その後の改善状況は反映されていません。
- 掲載の際は、八王子市の公式発表とあわせて確認してください。
- 個人が運営する園の運営者名は、この記事では省略しています。


