こどもをまんなかに置くということ。 ― 令和7年度 横浜市 指導監査実施方針から考える、わたしたちの保育の姿勢 ―

監査概要 制度について
監査概要

保育の現場にいると、ふと立ち止まって考えたくなる瞬間があります。

たとえば、忙しい日の午後。
洗ったおもちゃを干しながら、「わたしたちのしていることは、子どもにとってどんな意味があるのだろう」と。

横浜市から発表された「令和7年度 指導監査実施方針」。
それは、一見するとむずかしい行政の文章ですが、じつはとても大切なメッセージが込められていました。

それは、「こども、みんなが主役である」ということ。
この方針を、保育者として、暮らしを支える人として、どのように受け止めたらいいのでしょうか。

<参考>横浜市 令和7年度 指導監査実施方針 


この文章でわかること

  • 監査は「こわいもの」ではなく、「日々の保育を見つめ直すチャンス」であること
  • 令和7年度のキーワードは「こどもをまんなかに」
  • 見直したいのは、保育・安全・給食・お金・しくみの5つのこと
  • 大切なのは「誠実であること」と「手入れを怠らないこと」

1.こどもが主役であるという考え方

保育という仕事は、「誰のためにあるのか」という問いと、つねに寄り添っています。

横浜市が掲げた今年度のテーマは、「こども、みんなが主役!」。
これはつまり、保育の現場において、子どもの存在を中心に据えるという、あたりまえで、でもとても大切なことを改めて示してくれているように思います。

子どもたちが、安心して過ごせる場所。
子どもたちが、自分らしくいられる時間。
それらを守るために、監査という仕組みがあります。


2.5つの視点で、保育を見つめなおす

■1.運営の整え方

職員が足りているかどうか。働く環境が整っているか。
それは、子どもたちの安心と深くつながっています。

書類や記録の整理、事故の対応、避難訓練。
派手なことではないけれど、毎日の土台になる大事な仕事です。


■2.保育と教育の在り方

子ども一人ひとりを尊重するとは、どういうことか。
それは、名前を丁寧に呼ぶこと、目線を合わせること、小さな声を聴くこと。

そして、安全に眠ること、食べること、遊ぶこと。
そのすべてに、想像と配慮が求められます。


■3.食のあり方

給食は、「生きること」と直結しています。
味のあること。季節を感じられること。なにより、安心できること。

調理の衛生管理も、アレルギーの対応も、ていねいさの積み重ねです。


■4.お金の扱い方

保育は、税金によって支えられています。
それはつまり、社会からの信頼を背負っているということでもあります。

帳簿をきちんとつける。用途を明らかにする。
そんな日々の整えが、誠実さのしるしになります。


■5.法人の運営

保育は、人だけではなく、しくみによって支えられています。
評議員会や理事会、経理規程など、耳慣れない言葉かもしれません。
でも、それらがあることで、透明で健やかな組織が保たれます。


おわりに ― 手入れをしつづけるということ

保育という仕事に、正解はありません。
でも、日々のなかで、「このままでいいだろうか?」と問い続けることはできます。

監査は、外からやってくるものですが、
それを内側を整えるきっかけとして受け取ることも、わたしたちにはできます。

子どもがまんなかにいて、
そのまわりを大人たちが、静かに整える。

そんな保育でありたいと、わたしは思います。


<参考>横浜市 令和7年度 指導監査実施方針 

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