保育園を探すとき、私たちはどんなことを大切にすべきでしょうか。場所や費用、評判など、気になるポイントはいろいろあります。でも、もっと大切なのは「子どもが安心して過ごせる環境かどうか」、そして「そこで働く保育士さんが誇りを持って働ける場所かどうか」ではないでしょうか。横浜市瀬谷区にある学校法人横浜二ツ橋愛隣学園で行われた指導監査から見えてきた課題と、そこから私たちが学ぶべき「本来の保育のかたち」について考えてみたいと思います。
この記事でわかること
- 横浜二ツ橋愛隣学園で指摘された問題点とその背景
- 子どもの最善の利益を守る保育とは何か
- 保護者が保育園選びで見るべきポイント
- 保育士が働く環境として大切なこと
- 保育に関わるすべての人にエールを送る言葉
1. 指導監査が示した課題
令和5年3月14日から5月1日にかけて、横浜市は学校法人横浜二ツ橋愛隣学園に対して指導監査を実施しました。その結果、複数の重要な指摘事項が明らかになりました。
まず最も大きな問題は、児童の人権への配慮が不十分だったという点です。これは、過去に行われた市からの指導や関係法令を踏まえた対応が不十分であったことを意味しています。
また、保育士の資質向上に関わる体制が整備されておらず、外部の専門人材の登用も進んでいないという組織の硬直さが問題視されました。さらに、保護者への情報開示が不十分で、苦情対応の体制も確立されていなかったことから、信頼関係の構築にも課題があると指摘されています。
労働環境に関しても、法令に基づいた帳簿類の整備がなされておらず、時間外労働の実態把握や割増賃金の支払いが適切でなかったことが明らかになっています。設置者の責任も問われ、運営管理の在り方自体に再考を求める内容でした。
2. そもそも「子どもの最善の利益」とは
保育の原点にあるべきは、子ども一人ひとりの人格を尊重する姿勢です。子どもは小さな存在ですが、その心には無限の感受性と可能性が宿っています。大人の都合や体制の不備によって、子どもたちが安心して過ごせない状況が生まれてしまうのは、とても悲しいことです。
「子どもの最善の利益を守る」とは、すべての行動や判断を「この子にとって何が一番よいのか？」という問いから始めることです。そして、それは保育士だけでなく、保護者、地域、そして行政にも求められる姿勢です。
3. 保育園を選ぶときに見てほしいこと
保護者の皆さんにとって、保育園を選ぶのは大きな決断です。ただ設備が新しいとか、場所が便利ということだけでなく、「この園で、うちの子は幸せに過ごせるか？」という視点を大切にしてほしいと思います。
たとえば、保育士さんの表情はどうでしょうか。園内に掲示されているお知らせは、保護者にわかりやすく丁寧に書かれているでしょうか。何より、園の中で子どもたちが生き生きと笑っているかどうか──そこに、園の本質があらわれます。
また、園が保護者とどのように向き合っているかも大切です。意見や不安をきちんと受け止め、改善しようとする姿勢がある園なら、安心して子どもを預けることができるでしょう。
4. 保育士として園を選ぶときに考えたいこと
転職を考えている保育士の方にとっても、「働きやすさ」はとても重要な要素です。ただし、それは単に労働時間や給与の条件だけではありません。園が自分の専門性を尊重してくれるか、スキルアップの機会があるか、チームとして支え合える文化があるか──そうした点も見極めてほしいと思います。
また、労働法令がしっかり守られているかも確認すべきポイントです。出退勤の記録が適正に管理されているか、有給休暇がとれているか、残業代がきちんと支払われているか。これらは、働く人を大切にしているかどうかのバロメーターです。
園見学をする際には、「ここで働いてみたいか？」という視点で、職員同士の雰囲気や管理者の姿勢を感じ取ってみてください。
5. 保育に関わるすべての人へ
保育という仕事は、子どもたちの未来を支える大切な役割です。そして、その現場で日々奮闘している保育士さん、子育てをしながら働いている保護者の方々、そのすべてに敬意を表したいと思います。
今回の監査結果から見えるのは、「保育の質」は日々の小さな積み重ねで成り立っているということです。一人ひとりの思いやり、一つひとつの丁寧な対応が、子どもたちの心を育んでいきます。
だからこそ、保育の現場には愛と誠実さが必要なのです。そしてそれは、制度や仕組みとして整えるだけでなく、そこで働く人の心にも根づいていなければなりません。
まとめ
横浜二ツ橋愛隣学園に対する指導監査は、多くの課題を明らかにしました。しかし、それは同時に、よりよい保育を目指すための「きっかけ」ともなります。
保護者として、保育士として、あるいは地域の一員として、私たちは「子どもにとって最も良い環境とは何か？」という問いを持ち続けることが大切です。
子どもたちが健やかに育ち、保育士が誇りを持って働ける社会へ。そのためにできることを、今日から少しずつ始めていきましょう。
心から、子どもたちと保育に関わるすべての人を応援しています。
＜参考＞横浜市 指導監査結果https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kosodate/ninka/kanendokekka.html
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