陽だまりのような場所で、子どもたちの声が風に乗って聞こえてくる。
けれどその裏側には、大人たちの目には見えない綻びが、静かに潜んでいることもある。
――これは、令和6年10月30日、世田谷区のよつば保育園で行われた指導監査の一場面。
日々の保育を支える現場に、どんなことが起きていたのか。
そして、保育園を探す保護者にとって、見えづらい「保育士の配置」というものの意味とは何なのか。
保育士として働きたいあなたが、どんな園を選ぶべきなのか――
<参考>世田谷区 指導検査について
https://www.city.setagaya.lg.jp/01044/1632.html#p4
【この記事でわかること】
- よつば保育園で指摘された「保育士の適正配置」とは何か
- その背景に何があり、どのような保育が理想とされているのか
- 保護者が園を選ぶ際にチェックすべき「見えにくいポイント」
- 保育士が転職活動時に確認すべき園の体制と風土
保育園という場所は、子どもたちが過ごす“日常”でありながら、
大人たちにとっては“非日常”でもあります。
日々、保育の現場では、あらゆるドラマが静かに繰り広げられている。
そんな中、令和6年10月30日、世田谷区によって行われた指導監査にて、
よつば保育園で「保育士の適正配置がなされていない時間帯があった」との指摘が入りました。
■背景にあったのは、「ギリギリの人員配置」
今回の指摘の背景には、ある時間帯における「最低基準を下回る配置」があったことが原因です。
保育園には、子どもの人数に応じて配置すべき保育士の数が法律で定められています。
けれども、現実はどうか。
体調不良の職員、急な早退、産休・育休、そして慢性的な人材不足。
保育の現場では「誰かがいない日」が、日常のように訪れます。
そして、それを誰かが無理して埋めてきた結果、
“この時間帯だけ”基準を下回ってしまったのです。
けれども、それは「仕方なかった」では済まされない。
子どもたちの安全、情緒の安定、ひとり一人へのまなざし――
そのどれもが、保育士の人数と密接に関わっているからです。
■本来あるべき保育とは?
本来、保育というのは“誰がいても同じ”ではありません。
子どもの表情を読み取るのも、声のトーンを受け止めるのも、保育士ひとり一人の感性によるもの。
だからこそ、適正な配置はただの「数」ではなく、「子どもを見るまなざしの数」なのです。
子どもが泣いているとき、笑っているとき、黙っているとき――
そのすべてを受け止めるには、人の手と、心と、余裕が必要です。
■【転職活動中の保育士へ】“いい園”は数字ではなく、空気でわかる
保育士として次の職場を探しているあなたへ。
「保育士配置が適正かどうか」を見抜くには、求人票の数字だけでは足りません。
園見学で感じてください。
- 園長が職員の名前を“ちゃんと”呼んでいるか
- 子どもと職員の距離感に“ゆとり”があるか
- 書類の山に埋もれていないか
- 休憩が本当に“休憩”になっているか
どれも、配置と職場の雰囲気を映す鏡です。
人が足りていない園では、笑顔がつくられてしまいます。
足りている園では、笑顔が「にじみ出て」います。
【まとめ】
よつば保育園の指摘は、どこかひとつの園の問題ではなく、
いまの保育業界が抱える構造的な課題のひとつでもあります。
保護者として、保育士として、
「子どもがまんなかにいる保育」を選ぶために――
ほんの少しだけ、“数字の奥にある空気”に目を向けてみませんか。
<参考>世田谷区 指導検査について
https://www.city.setagaya.lg.jp/01044/1632.html#p4
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