子どもたちの「安心」を育むために──世田谷区ぴっころ保育園の指導監査から学ぶこと

公園 世田谷区
公園

子どもを預ける保護者にとって、保育園の安全性は最も気がかりなことのひとつです。令和6年12月19日に実施された世田谷区ぴっころ保育園の指導監査において、「施設内に安全上危険な箇所があった」との指摘がなされました。本記事では、その背景にある課題と、保育の本質について丁寧に紐解いていきます。また、転職活動中の保育士の方々に向けて、園選びのポイントも紹介し、安全で心地よい保育環境とは何かを一緒に考えます。

この記事でわかること

  • 指摘事項が生まれた背景とその意味
  • 保育園が本来あるべき安全対策とは何か
  • 保護者が保育園選びで注意したいポイント
  • 保育士が転職先の園を選ぶ際に見るべき視点

指摘の背景にある「当たり前の見落とし」

保育園という場所は、ただ子どもを預かるだけでなく、その心と身体を育てる場所でもあります。今回の指導監査で問題となったのは「施設内に安全上危険な箇所があった」という指摘でした。これだけ聞くと一見、深刻な問題に思えるかもしれません。しかし、実際には多くの保育園が、日々の忙しさの中で「当たり前」にしていたことを、いつの間にか見落としてしまうことがあります。

たとえば、扉の角が鋭利なままになっていたり、床に滑りやすいマットが敷かれていたり、ベランダに子どもが登れるような物が置かれていたり──。こうした小さな危険は、日々の業務の中では“慣れ”によって見逃されてしまうのです。

本来あるべき「安全」のあり方

保育園における安全とは、「事故が起きないこと」だけを指すのではありません。「子どもが安心してのびのびと過ごせる空間」であることが、本当の意味での安全だと私は考えます。

子どもたちは、毎日、見るもの聞くものすべてが新鮮で、好奇心のかたまりです。その中で、少しでも不安を感じる場所や状況があると、自由に遊ぶことも、思いきり笑うこともできなくなります。保育士が環境に気を配ることは、子どもたちの「こころの安全」を守る行為でもあります。

安全な環境とは、たとえば定期的な点検を欠かさないこと、職員全員で共通認識を持って「ヒヤリ・ハット」を共有すること。そして何より、子どもの目線に立って空間を見ることです。大人の目では気づけないことが、子どもたちの視線の高さにはたくさんあるのです。

保護者が園選びで気をつけたいこと

保護者の皆さんにとって、園選びは人生の中でもとても大きな選択です。施設の清潔さや設備の新しさはもちろん大切ですが、それ以上に見ていただきたいのは「園の空気感」と「職員の眼差し」です。

初めて見学に行ったとき、子どもたちはのびのび遊んでいますか?職員同士が協力し合って働いている雰囲気が感じられますか?職員の方が園児に接する表情は優しいですか?

「安全な園」とは、ただ設備が整っているだけではありません。日々の対話、日々の気配りが積み重なってこそ、安全が守られているのです。

保育士が転職時に見るべきポイント

今、保育士として新しい職場を探している方へ。求人票には書かれていない“リアル”な安全性を見極める力を持ってください。

見学の際は、施設の掲示物や掃除の様子、消火器や避難経路がきちんと整備されているかをさりげなく確認してみましょう。また、園内で「これは危ないかも」と感じた箇所があったら、その場で率直に質問することも大切です。そのとき、園の対応が丁寧で誠実かどうかも、大事な判断材料です。

そして何より、「子どもに寄り添う保育」を大切にしている園かどうか。日々の小さな気づきや思いやりが、子どもたちの安心へとつながっていきます。

忙しさの中でも「余白」を大切に

私たちは、どうしても忙しさに追われると、効率や手順に目がいってしまいます。でも、保育において大切なのは「余白」だと私は思うのです。

子どもたちがふと立ち止まり、花を見つける時間。保育士が一人ひとりの顔を見て、「今日も元気だね」と声をかける時間。その余白の中に、子どもも大人も「安心」を見出していくのです。

まとめ

ぴっころ保育園の指導監査を通じて見えてきたのは、決して特別な問題ではなく、どの園にも起こり得る「日々の積み重ねの見直し」でした。子どもたちの安全は、施設のハード面だけでなく、そこにいる大人たちのまなざしと手のひらの中にあります。

子育てをする保護者の皆さん、現場で頑張る保育士の皆さん。あなたのその毎日は、誰かにとっての「安心」になっています。どうか自信と誇りを持って、これからも保育と向き合っていってください。

日々の保育に、やさしいまなざしと、静かな情熱を。

<参考>世田谷区 指導検査について

保育所・幼保連携型認定こども園・家庭的保育事業等の指導検査について

コメント

タイトルとURLをコピーしました