保育園を探す保護者にとって、園の姿勢や信頼性は何よりの判断材料です。また、転職を考える保育士にとっても、働く環境や運営の透明性はとても重要なポイントです。今回は、さいたま市西区の「指扇(さしおうぎ)はっぴー保育園」で令和6年1月24日に実施された指導監査の内容をもとに、発生した背景と、保育施設が果たすべき本来の役割について、丁寧に掘り下げてみたいと思います。
この記事でわかること
- 指導監査の指摘内容とその背景
- 財務資料の重要性と保育園運営の透明性について
- 保護者が保育園を選ぶ際の見るべきポイント
- 保育士が転職時に注目すべき園の姿勢とチェックリスト
- 子どもたちの笑顔を守るために、私たちができること
指摘事項の概要
令和6年1月24日、さいたま市西区の「指扇はっぴー保育園」において指導監査が行われました。その中で指摘されたのは、以下の一点です。
企業会計の基準による会計処理を行っている場合は、「保育所の設置認可等について」(平成12年3月30日児発第295号/平成26年12月12日一部改正)に沿った財務資料を作成してください。(借入金・基本財産及びその他の固定資産の明細書)
一見すると専門的で難解な指摘ですが、ここには大切な意味が込められています。
背景を紐解く
指導監査とは、保育園が適切に運営されているかどうかを行政が確認するための制度です。保育という公共性の高いサービスを担う施設として、法令を守り、適切な運営がなされているかを年に一度程度確認するものです。
今回の指摘は「会計処理」に関するもの。特に、企業会計を採用している園は、保育所設置基準に沿った様式で財務情報を整える必要があります。これは、透明性を高め、園の経営状況を明確に保護者や関係者に示すためのものです。
財務資料の整備が不十分だと、保護者にとっては園の信頼性を判断しづらくなり、職員にとっても安心して働き続けられるかどうか、不安の種となることがあります。
本来の保育園の姿とは
保育園とは、子どもたちが日々を安心して過ごし、心身ともに成長できる場所であるべきです。そこでは、先生たちのあたたかいまなざしと、保護者との信頼関係、そして安全で健全な運営体制が必要不可欠です。
財務資料の整備は、単なる「お金の話」ではなく、園がどのように運営され、どこに力を入れているのかを示すものでもあります。借入金の状況や、園舎や遊具といった固定資産の明細をきちんと開示することは、園の将来性や安定性に関わる大切な情報です。
保護者が見ておきたいポイント
保育園を選ぶ際、「先生が優しそうか」「園舎がきれいか」といった第一印象ももちろん大切ですが、運営体制の安定性や透明性も、ぜひ注目してみてください。
例えば:
- 運営法人のホームページで財務情報が公開されているか
- 行政の監査での指摘事項がどう対応されているか
- 保護者とのコミュニケーションの姿勢
- 職員の定着率や笑顔の多さ
子どもたちのために何が一番大切かを、いつも考えている園は、細やかな運営の配慮にもそれが表れてきます。
保育士の転職チェックポイント
保育士として転職を考えるとき、給与や労働時間はもちろん大切ですが、次のような観点も忘れずに見てみましょう。
- 法令遵守や指導監査への対応姿勢
- 財務の透明性や、園長・経営陣の説明責任
- 働く人が声を上げやすい風通しの良さ
- 「子どものために」という軸がどれだけ共有されているか
保育という仕事は、心を込めた営みです。だからこそ、働く場所が健全で、正直で、温かなものであってほしい。そう願うすべての保育士の方々へ、園を見極める目を持つことの大切さをお伝えしたいのです。
まとめ:子どもたちの未来のために
今回の指導監査における指摘は、保育園運営の透明性に関わるものでした。
しかしこれは、決して園を責めるためのものではなく、「もっと良くなるため」のきっかけです。私たち保護者や保育士も、その指摘を受け止め、共に保育の現場を見つめ直すことで、より良い環境をつくっていけるのだと思います。
子どもたちは、今日という日を全力で生きています。
そのかけがえのない時間を、温かな場所で過ごせるように——。
保育に関わるすべての人たちが、明るく前向きに手を取り合っていけますように。
そして、日々の子育てや保育という仕事に向き合う皆さん、
その努力と優しさに、心からの敬意と感謝を込めて。
——あなたのまなざしが、子どもたちの明日をつくっています。
<参考>さいたま市 児童福祉施設等に係る一般指導監査の実施結果
https://www.city.saitama.lg.jp/003/001/009/p008438.html
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