「だいじょうぶ」の保育園を選ぶために――調布つつじヶ丘どろんこ保育園の指導監査から学ぶこと

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子どもを預ける保育園を探すとき、何を大切にしますか?
園の雰囲気、先生たちのあたたかさ、毎日の食事や遊びの時間――。
そのどれもが大切で、だからこそ、保育園を選ぶということは、とても丁寧に、やさしく向き合うべき時間だと思うのです。

今回お伝えするのは、調布市の「つつじヶ丘どろんこ保育園」で行われた令和5年11月6日の指導監査でのひとつの指摘事項について。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、これは保育の本質をもう一度見つめ直す、とても大切なヒントでもあります。


この記事でわかること

  • 指導監査での指摘内容の具体的な解説
  • 実費徴収がなぜ問題なのか、その背景
  • 保護者として保育園を選ぶときの大事な視点
  • 保育士として「安心して働ける園」を見極めるポイント
  • 保育に関わるすべての人へのエールと願い

指導監査の指摘内容とは?

令和5年11月6日に調布市が行った「つつじヶ丘どろんこ保育園」への指導監査において、以下の指摘がされました。

「実費徴収が認められていない費用について、利用者から徴収している」

この言葉だけでは、何が問題なのか分かりづらいかもしれません。
でもこれは、保護者にとっても、保育士にとっても、知っておくべき「大切なルール」の話なのです。


実費徴収ってなに?

保育園では、保育料とは別に「実費徴収」と呼ばれる費用を保護者が支払うことがあります。
たとえば、遠足の交通費、スケッチブックやクレヨンなど、明確に必要で、使ったことが説明できるものに限って、保護者から実費を徴収することが認められています。

でもそれ以外――
・明確な説明がされていない費用
・そもそも徴収が認められていない内容
・園の運営に関わる本来は保育料でまかなうべき費用

こういったものを、保護者から「当然のように」徴収していた場合、それは問題となります。


なぜ、それが問題なのか

保育園は、誰もが安心して利用できる「公的なサービス」です。
そのために、各自治体や国が保育料の基準を決め、家庭の負担をできるだけ抑えるしくみをつくっています。

もし、そのルールを守らずに費用を徴収してしまえば、
・家庭によって負担が不公平になる
・本来無料で受けられるべき保育内容が、有料に見えてしまう
・経済的に苦しい家庭が、保育の機会を失ってしまう

そうした可能性が生まれます。

ですから、保育園は「公正であること」「説明責任を果たすこと」がとても大事なのです。


なぜこんなことが起きたのか?

このような指摘が入る背景には、
・保育現場の多忙さ
・制度の理解不足
・善意ではじまった慣習が、見直されないまま続いていた
といった事情がある場合もあります。

つまり、必ずしも「悪意があった」とは限りません。
しかし、どんな理由であっても、子どもと家庭にとって公平で安心できる保育のためには、ルールの見直しと改善が必要なのです。


保護者の立場でできること

保育園を選ぶとき、「保育料以外にどんな費用がありますか?」と聞いてみてください。
丁寧に説明してくれる園は、それだけで信頼の第一歩です。

また、「毎月どんなことに使われているか」をしっかり伝えてくれる園は、日々の保育もきっと丁寧に行っているはずです。

もし、疑問があるときは、遠慮せずに質問してみてください。
それは、子どもにとっての「安心の土台」をつくる、大切な行動です。


保育士の視点で見る「安心して働ける園」

転職活動をしている保育士さんにとっても、この話は他人事ではありません。
園の経営方針、コンプライアンス(法令遵守)への姿勢は、自分自身が誇りをもって働けるかどうかを左右します。

面接や見学のときには、こんなポイントを確認してみてください。

  • 実費徴収のルールが明確に説明されているか
  • 園内のマニュアルやガイドラインが整っているか
  • 「これはおかしいかも」と感じたとき、相談できる風通しがあるか

自分自身が「守られている」と感じられる環境でこそ、子どもたちに安心を届けられる。
それは、保育士という仕事の本質でもあります。


子育て中のあなたへ、保育士としてのあなたへ

保育は、毎日の積み重ねです。
笑ったり、泣いたり、転んだり、抱きしめたり。
どんなに制度やルールがあっても、それを本当に生かすのは、現場にいる人たちの想いです。

だからこそ、わたしたちは迷いながらも学び、少しずつでもよくしていく努力を続けていきたいと思います。

「こんなとき、どうすればいいんだろう」
「これって、ほんとうに正しいのかな」

そんな問いを抱えたときこそ、自分や子どもたちの未来をよくしていくチャンスです。


まとめ

今回のつつじヶ丘どろんこ保育園の指導監査の指摘から学べることは、
「制度を理解すること」
「対話を大切にすること」
「疑問を放置しないこと」

そして、なによりも「誠実さ」が保育において一番の土台になるということ。

保護者も、保育士も、みんなが「だいじょうぶ」と思える場所を選び、育てていけますように。
その願いを込めて、この記事を書きました。

今日も、どこかの保育室で。
今日も、誰かの心の中で。
あたたかい保育が育っていますように。


<参考>調布市 特定教育・保育施設の指導検査

特定教育・保育施設の指導検査
東京都調布市の公式ホームページです。くらしの情報や市政情報、イベント情報などさまざまな情報を提供しています。

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