保育園を選ぶとき。
それは、「安心して預けられるかどうか」だけではなく、
「どんな日々を子どもが過ごすのか」「どんな人が働いているのか」を、そっと見つめる行為です。
三軒茶屋にある「えほん保育園」で、2024年11月の指導監査の中で、ふたつのことが指摘されました。
ひとつは、ある月に消火訓練が行われなかったこと。
もうひとつは、会計帳簿の整合性に少しずれがあったこと。
少しのほころびにも、きちんと目を向けること。
それは、暮らしの中の誠実さとつながっています。
今日はこのふたつの出来事から、「本当に大切な保育とは何か」、そして「保育士として、どんな園を選ぶべきか」を、ていねいに考えてみたいと思います。
<参考>世田谷区 指導検査について
https://www.city.setagaya.lg.jp/01044/1632.html#p4
【この記事でわかること】
- えほん保育園で指摘されたことの意味
- 日々の保育において、大切にしたい心がけ
- 保育士が転職の際に大切にしてほしいこと
■ 小さなズレに、やさしく気づくということ
消火訓練が、ある月だけ行われなかった。
一見、些細なことのように感じられるかもしれません。
けれど、日々の暮らしでも同じように、
「今日だけ掃除をサボろう」
「まあ、あとでやればいいか」
と後回しにしたことが、思いがけない結果を生むことがあります。
保育園での消火訓練も、似ています。
子どもたちの命を守る備えは、「一度も使わないかもしれない準備」に、どれだけ本気で向き合えるかにかかっています。
それは大げさではなく、「保育とは、目に見えないものに誠実であること」だと、私は思います。
■ 会計帳簿は、信頼のかたち
もうひとつの指摘は、帳簿の整合性に関するものでした。
お金の管理は、暮らしの中でも保育園でも、見えにくいけれど大切な部分です。
それは、園に関わるすべての人への「見えない約束」。
たとえば、家の家計簿をつけるとき、
数字が合わなかったら、ちょっと不安になりますよね。
「あれ、どこかで使いすぎたかな?」と考える。
それと同じように、園の帳簿も整っていてはじめて、「この場所はちゃんとしている」と感じられるものです。
間違いやズレがあること自体よりも、
それに気づいたとき、「どう向き合い、どう直すか」が大切です。
不完全さを認めて、誠実に直そうとする園は、むしろ信頼できる場所だと思います。
■ 園選びは、「自分の価値観をたどる旅」
これを読んでいる保育士さんの中には、
いま、転職を考えている方もいるかもしれません。
そんなとき、大切にしてほしいのは、
「その園で働く自分を、好きでいられそうか?」という問いです。
給与や勤務時間ももちろん大事ですが、
日々のふるまい、言葉づかい、空気感──
そういう「目に見えないもの」が、実は働く喜びを左右します。
こんなふうに考えてみてください。
「この園に、自分の大切な友人を誘いたいか?」
「この園の保育を、自分の子どもに受けさせたいか?」
答えがYESなら、そこはきっと、あなたにとってよい場所です。
【まとめ】
保育は、日常のなかにある小さなことを、ていねいに積み重ねる仕事です。
消火訓練や帳簿の管理といった業務の中にも、
「子どもたちに安心して育ってほしい」という静かな願いがあります。
そして、転職活動も同じです。
自分の価値観に寄り添いながら、「どんな保育をしたいか」「どんな人たちと働きたいか」を考える。
それは、自分自身のこれからの暮らしをていねいに選び取る、やさしい旅のようなものです。
間違いも、改善も、あたらしいスタートも、
きっとどこかで誰かのやさしさとつながっている。
そんなふうに思えたなら、保育という仕事はきっと、もっとすてきなものになるはずです。
<参考>世田谷区 指導検査について
https://www.city.setagaya.lg.jp/01044/1632.html#p4
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