帳簿の向こうにある子どもたちの声――フロンティアキッズ上馬の指導監査をめぐって

領収書 世田谷区
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木枯らしが園庭の砂を巻き上げる十一月の終わり、ひとつの報告書が静かに机に届いた。そこには、子どもたちの笑顔の裏で見過ごされていた「帳簿の不在」が記されていた。附属明細書――数字の羅列に思えるそれが、なぜ保育の本質を語る鍵となるのか。保護者の方へ、そして、これから保育の道を歩もうとする人へ。帳簿の行間にある「まなざし」と「気配」を伝えたい。


この記事でわかること

  • 附属明細書が保育にとって持つ意味とは何か
  • 指摘の背景と、そこから見える現場の事情
  • 保護者が見るべき「園の透明性」とは
  • 転職活動中の保育士が注目すべき「誠実な保育園」の選び方

十一月のある日、世田谷区のフロンティアキッズ上馬において、定期の指導監査が行われた。

そこで一つ、静かだが重たい指摘が下された。

「附属明細書が作成されていない」

帳簿の話、と言ってしまえばそれまでだ。けれどもこれは単なる書類の不備ではない。
附属明細書とは、保育園の決算書を裏付ける詳細な記録であり、どこにどんなお金が使われているか――それを透明にし、説明責任を果たすための重要な書類だ。

本来、これらは行政だけでなく、保護者や地域社会に対しても「この園は何に重きを置いているのか」を伝えるツールでもある。給食費、備品費、職員配置、研修費…。子どもに関わるすべての営みが、数字の向こうに生きている。

では、なぜこのような事態が起こったのか。

答えは単純でもあり、複雑でもある。
現場の保育士たちは、日々子どもの命と心に向き合っている。その一方で、事務的な作業――とくに専門性の高い帳簿作成には、つい後手に回ってしまうという事情がある。
だが、それは「忙しかった」で済む話ではない。

保育は、「人を育てる」という公的な責任を背負っている。
だからこそ、数字の管理もまた、保育の一部なのだ。

<参考>世田谷区 保育施設等の指導検査https://www.city.setagaya.lg.jp/kodomokyouiku/hoikuen/category/12417.html


保護者の方へ伝えたいこと

園を選ぶとき、笑顔の写真や園庭の広さに目が行くのは自然なことです。けれど、少しだけ、その奥にある「見えない帳簿」にも想いを馳せてみてください。
この園は、きちんと使ったお金を説明してくれているか?
情報開示はされているか?
問いかければ、きっとその園の誠実さが見えてきます。


保育士の方へ――園選びのための静かな視点

保育の道を歩むあなたへ。
転職活動のとき、「人間関係」や「給与」ももちろん大切ですが、園の事務体制やコンプライアンスへの姿勢にも目を向けてほしい。

以下のような点を確認してみてください:

  • 決算書や監査報告を開示しているか
  • 法令遵守に対する研修が行われているか
  • 事務と保育のバランスがとれているか
  • ミスがあったときに、改善と説明を誠実に行う文化があるか

数字は冷たいようでいて、その扱い方に人の温度がにじみ出ます。
帳簿の整っている園には、現場を大切にする気風がある。そんな場所は、あなたの保育の時間も大切にしてくれるはずです。


まとめ

「附属明細書がなかった」――それは、ひとつの出来事にすぎません。
けれど、それが浮かび上がらせたものは、保育の現場が抱える「目に見えにくい課題」でした。
数字を整えることは、子どもの未来を整えること。
私たちが次に踏み出す一歩が、子どもたちの世界にどんな風を吹かせるのか。静かに、しかし確かに見つめていきたいものです。


<参考>世田谷区 指導検査について
https://www.city.setagaya.lg.jp/01044/1632.html#p4

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